牧場と空と羊
HOME>ナローバンドUVB

ナローバンドUVBとは

  • 日光浴のメリットだけ残そうとした治療法

    以前より日光浴による皮膚疾患の治療効果については注目されていましたが、皮膚癌のリスクとして紫外線が指摘されて、またのシミ、シワ、たるみなどの老化の原因とも言われるようになりました。
    そこで、皮膚疾患に効果がある波長を効率的に照射するために紫外線の波長(10〜400nm)の中でUVB(280〜315nm)のさらに特定の波長に限定したものであるナローバンドUVB(311〜312nm)が注目されるようになりました(図1)。

    ナローバンドUVの波長
  • ナローバンドUVBの作用機序

    ナローバンドUVBは主に免疫系に作用します。皮膚疾患の原因となる細胞のアポトーシスや制御系T細胞の誘導・免疫抑制を行うことで免疫調整が行われ、免疫異常からくる皮膚疾患に効果があります。

  • 照射方法

    病変部位に対して垂直にナローバンドUVBを照射します。病変部位以外は遮光します。顔にも照射する場合は専用のゴーグルを装着します。一度の照射時間は数分です。週に1〜2回照射します。照射エネルギーはMED(最小紅斑量)から決める方法もありますが、翌日に判定をする必要があり、時間的制約で来院が難しい方もいらっしゃると思います。そこで、当施設では日本人の平均的な皮膚反応から決められたプロトコルを利用しています。その後の紅斑の程度でエネルギーを増減していきます。

    ナローバンドUVB照射機
  • 発がん性について

    実際の臨床の場において、歴史のある欧米諸国でも発がんの報告はありません。安全を重視するために1回照射量を2.8J/cm2以下、総照射量を1000J/cm2を上限としています。通常の初回照射が0.5J/cm2ですから、この強さで照射するとすれば2000回必要です。照射のペースが週に1回だとすれば38年かかる計算になります。実際は皮膚反応をみながらエネルギーを強くすることもありますが、それでも通常の治療ではまず超えることはありません。

  • 保険適応疾患

    乾癬、掌蹠膿疱症、尋常性白斑、菌状息肉症、慢性苔癬状粃糠疹、悪性リンパ腫、類乾癬、アトピー性皮膚炎

  • 注意すべき薬剤

    タクロリムス軟膏(プロトピック)、シクロスポリン内服の場合は照射できませんので、2週間の休薬後に照射いたします。

  • 治療できない方

    皮膚悪性腫瘍の合併、あるいは既往歴のある方
    高発がんリスクの方(dysplastic nevus syndrome,色素性乾皮症、過去に砒素の内服や接種歴、放射線照射歴のある方)
    顕著な光線過敏症を有する方(遺伝性光線過敏症、白皮症、ポルフィリン症、光線過敏性膠原病など)
    光過敏症を有する薬剤、免疫抑制薬を服用中の方(サルファ剤、降圧利尿剤、鎮静剤、テトラサイクリン、ソラレン、非ステロイド性抗炎症剤:ボルタレン、モーラス、色素剤、化学療法剤)
    光線による肌の早期老化の徴候が明確に見られる方
    発疹のある方